2017年06月05日

木村椅子さんの小説宝石新人賞受賞作を読みました

Twitterのフォロワーさんで、 前から何となく気になってた(お会いしたことはない)木村椅子さんが小説宝石新人賞を受賞されました!
わーい、おめでとうございます!

という訳で、小説宝石の発売日翌日に近隣書店に行ってみましたが…ない!うん、毎月1冊くらいしか入れてないよね、知ってる。知ってるけどその1冊いつもならあるじゃないですか、なんでもうないんすか!?ということで、諦めて別の書店に行くも見つからず。Amazonさんは嫌いなのであくまでも書店にこだわって探した結果、見つからぬまま10日が過ぎ…やっと本日!入手できました!!
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↑電車に乗ってすぐに撮った写真。
ブレブレだけど、早く読みたいから撮りなおさず。
こんなに見つかりにくい小説宝石なので、大丈夫なのか!?この雑誌はちゃんと売れてるのか!?と不安になりつつ開くと、「小説宝石新人賞は今回でおしまいになっちゃうよテヘペロ」的なことが書いてある…!ぅおい!!
この賞は原稿用紙50枚くらいで応募できる、数少ない短編の新人賞だっただけに、残念でなりません。
木村椅子さん、滑り込みセーフでしたね…(>_<)

そんな訳で受賞作「ウミガメみたいに飛んでみな」を読んでみました。以下感想を述べますけれど、偉そうなところがあっても「お前の小説はどうなんだ!」とか言わないようにお願いしますね。読者として感想を言う時は、書き手としての自分のことは棚にあげることにしています。
さて、感想です。
冒頭の数ページ読むだけで、なんで受賞したのかは明白だと思います。圧倒的に地の文が巧いのです。めっちゃ面白い!ぐんぐん読み進めていけます。選評で恩田陸さんも仰られていますが、ユーモアのある文章というのは本当に難しく、自分の文体として確立している人は新人ではかなり少ないのではないかと思います。読みやすく、それでいて情報の多い一文の構成は、学ばせていただくところが満載だなぁと思いました。こんな表現絶対にできない、と思うような一文がひょいひょい出てきます。「書ける人」であることが伝わってくると共に、自分の個性はこのファニーな文章ですよ、としっかりアピールしている点で、投稿作としてのツボも押さえてるなぁと思いました。
割と現実的なテーマを抱えている等身大の主人公から、タイトルである「ウミガメみたいに飛んでみな」の話につなげる構成は、ちょっと意外でした。選評では既視感があると指摘されていましたが、組み合わせ方として、この文体でこういう展開につながる作品というのは結構珍しいんじゃないかなぁと思いました。
既視感があるという意味では、人物の相関関係が実にベタで、その辺が「見たことある話」と指摘されることになったのではと思っています。
関係性がベタなのは悪いことではないと思いますが、要所要所のセリフがどこかで聞いたことのあるやり取りなのが、個人的には残念でした。
地の文でこれだけ遊べる人なのですから、お父さんと和解するシーンなんかは、もうちょっと面白いセリフを使っても良かったのではないかと思います。
全体を通して、お父さんや妹の描かれ方が本当に上手です。2人の間とか、雰囲気がすごく伝わってきて、家族の温かみがちゃんとある。主人公の一人称を通して向けられるまなざしが、まさに家族なんですね。この辺の近しさって意外と文章で出すのは難しいです。
それに比べるとリエについては「作られた感」「嘘くささ」がどうしても引っかかってしまいました。物語に必要だから配置した、という感じで、切実さがないんですね。作中のリエのセリフは結構長いものが多いのですが、それが作品のテンポを崩していてミスマッチのような気がしました。もっと短く洗練された言葉でピリッと締めることができていれば、小説がもっと違う広がりを持ったのではないかと思っています。作風的に、あえて広がらせない、洗練させないことを選んだのかも、という気もしますが…。
最後の方はなんだかバタバタとおしまいに向けて慌てて荷物をしまっているような感じで、もう少し長めにとってくれたらなぁと思いました。そしてここでキメ台詞的にリエの長台詞がある訳ですが、ここに至るまでの細やかな心理的なやり取りがどこかに欲しかったなぁと思います。唐突すぎて、あまりリエの心情を理解できませんでした。いっそ郷原のエピソードは、彼の存在自体全部切ってしまって、もっとリエと主人公のやり取りで見せる方が良かったのではと思います。そうでないと、結婚についても視野に入れている20代の女性がこの流れの中で結局「主人公のこと大好きだから」に落ち着いちゃうというのは、ファンタジーすぎるように感じました。
一番最後リエとDVDを見る、というところに落ち着かせるのであれば、リエとのあれこれも、お父さんとのことも、同じ舞台(主人公の部屋)で処理できたのでは、と思いました。その方がおしまいとしての座りが良いように思いますが、私は「終わりで置きに行きすぎる」とよく指摘されるので、私の感想が正解なのかはよくわかりません。
ラストの締め方は私は大好きです。
この作品のテイストにぴったりだと思うし、それでいて「おお、そう締めるのか」みたいな面白さもあって。

結局、作品は30分くらいですぐ読んでしまいました。とにかく地の文のリズムが良いのでするっと読めます。この読みやすさは圧倒的な武器だと思いますね…こんな文章書けるようになりたい!
木村椅子さん、受賞本当におめでとうございます。これからもそっと応援させていただきますね。

⚫️木村椅子さんTwitter:@kimu_rice

⚫️木村椅子さん所属同人・架空派
余談ですが、架空派は実力者揃いの恐ろしい子!なサークルさんです。徒川ニナさんとか湧田束さんとかも本当素敵な作品書かれてますよ。

⚫️木村椅子さん既刊(電子書籍)


posted by 秋月千津子 at 19:05| Comment(0) | 本の感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月12日

草間彌生グッズを転売屋から買わないために

草間彌生が好きだ。
美術に詳しい人間ではないけれど、とにかく好きだ。
そして、転売が嫌いだ。
遠方の人は、美術館に簡単には行けないから、せめてグッズだけでも…とネットで探すだろう。
で、ネットのオークションやフリマで草間彌生グッズを買おうとすると、ほとんどが定価以上のぼったくり価格なのである。
国立新美術館の草間彌生展(わが永遠の魂)の初日、私はグッズ売り場で明らかに転売用だろうという、同じ品物を何個もカゴに入れて大量買いしていった人を何人も見た。(大好きすぎて保存用も買ってる人だったらごめんなさい…)
あの1つ1つに、千円を上乗せして売るだけでも充分、利益が出るだろう…。
グッズについては公式が一部商品についてしか定価を公開していないこともあって、会場に行っていない人にはわからない場合が多いと思う。
でも草間彌生ファンがこうした転売屋に搾取されるのは嫌だ!
ということで、草間彌生グッズを手に入れられるお店をまとめておきます。
遠方で美術館にはなかなか行けないよー、という人は参考になさって下さい。
そしてネットのオークションやフリマで買おうとしてる人がいたら、こういう場所もあることを教えてあげて下さい。

LAMMFROMM(ラムフロム)グッズ全般、過去の草間展グッズもあり
calif(カリフ)X-girl、PORTERコラボグッズ
朝日新聞SHOP…展覧会グッズ。何故かキーリングの値段設定が美術館で買うより安くなっています。
spoon楽天市場店X-girl、X-LARGEコラボグッズの一部が買えます。楽天ポイントで買いたい時などに!

※また、オンラインショップはありませんが、松本市美術館のミュージアムショップにも、過去の展覧会グッズが多数置かれています。お近くに行かれた際には是非!
美術館もとっても素敵ですよ!


【おまけ】
買ってはいけない!転売屋リスト。

楽天でショップ構えてるふざけた奴ら(上2つは多分同じショップ)
しかも定価の3倍近い値段をつけていることも…

1つ1つは数百円〜千円程度の上乗せ。
でもいっぱい出してるから転売目的で買ってきたんだろう。
千円以上の上乗せなど悪質な転売屋。
「現在売り切れ中です」って、お前みたいな転売屋が買うからだろ。

ヤフオク、Amazonでの転売屋は他にもあげればキリがありません…是非上にあげたような定価で買えるショップを参考に、適切価格かのご判断を。

posted by 秋月千津子 at 19:01| Comment(0) | 美術の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月03日

淡クリームキンマリは書籍用紙ではない?

理想の手帳作りにあたり、印刷屋さんが設定している用紙を見ていて思い出したので、書いときます。

同人誌を作る時に「本文用紙」が選べますよね。
あれでよく「書籍用紙」として紹介されている「淡クリームキンマリ」ですが。
実はこの紙は、「クリーム上質」です。
クリーム上質というのはその名の通り、上質紙をクリーム色に染めたものです。色付きなだけで、基本的な性能としては上質紙と同等です。
書籍用紙の定義自体が曖昧なのですけれど、書籍用に開発された、裏抜けしにくくしなやかな紙を書籍用紙として「上質紙」とは別物とした場合に、クリーム色の上質紙である「淡クリームキンマリ」はそこには含まれないだろう、という話ですね。
勿論、書籍の本文用紙としてガンガン使われているので、書籍用の紙、という意味では書籍用紙なんですけども(笑)

ちなみに淡クリームキンマリを作ってる北越紀州製紙さんはちゃんと「クリーム上質」として紹介しています。

じゃあ「書籍用紙」を謳っている紙にはどんなものがあるのかというと、日本製紙さんの「オペラクリーム」とかですね。ちなみに日本製紙さんは「アルトクリーム」という紙をクリーム上質として出してます。
日本製紙さんは御茶ノ水にギャラリーがあるんですけど、そこで見れるらしいので今度どんな風に違うのか、確かめてきたいなーとか思ってます。
posted by 秋月千津子 at 01:55| Comment(0) | 文房具の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする